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「ロイヤルシアターの幽霊たち」「さいごのゆうれい」


「ロイヤルシアターの幽霊たち」

ジェラルディン マコックラン (著), 金原 瑞人 (翻訳), 吉原 菜穂 (翻訳)

小学館 (2020/10/15)


同じ街で様々な時代に死んだ、

本当はまだ死にたくなかった幽霊たちが

生きていた頃のことを自分語りする。

自分語りをしているようで

街を語り、時代を語る。

幽霊たちがひと通り独白したあとに


え…?


となる。


「さいごのゆうれい」

斉藤倫(著) 西村ツチカ(画), 福音館書店(2021.4.10)


人間たちは皆、死んだ存在とそれにともなう「かなしみ」を忘れてしまう「大幸福時代」を生きている。 ぼくは「かなしみ」を知らずに生きていて、「ゆうれい」との出会いを機に、母の喪失を辿るのかと思いきや おぉ… となる。


どちらも現世と死のあわいを行き来するが ただそれだけでは終わらない、それぞれの着地点がある。 前者は「あとがき」で物語の背景を知り 後者は「はじまりのまえに」で物語の奥行きを知る。 読み終えてすぐ、また初めから読み返していろいろ確認したくなる。

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