「ムカムカ! “いかり”は あばれんぼう」
ささき みお (イラスト), まつまる みき (監修)
少年写真新聞社 (2020/10/16)
心の中にあるいろいろな「きもち」が擬人化されている。
なかでも、ムカムカした時に巨大化して暴走する
「ムッキー」をどう制御するか具体策を示す。
「かなしみがやってきたらきみは」
エヴァ イーランド (著), いとう ひろみ (翻訳)
ほるぷ出版 (2019/10/21)
擬人化された「かなしみ」が突然、訪れてくる。
「かなしみ」とどうつきあっていくのか。
どこかに閉じ込めたら、きみ自身が飲み込まれるかもしれない。
どちらも、形式化された感情のひとつを擬人化しているが
前者は、いつも心のなかにいる存在の肥大化を描き
後者は、外から“なにか”の形でやってくるという描き方。
前者は、どちらかというと実用的で
「ムカつく=怒り」の元にはさまざまな感情があること、
それを「わたし」のメッセージで相手に伝えることを教える。
後者は、どちらかというと観念的で心に沁みる。
「かなしみ」に視点をシフトするところに優しさがあり、
少しずつでも折り合いをつけて生きていく希望を見る。
「動物」や「妖精」などを擬人化するのではなく
「感情」を擬人化する絵本には
どんな時代背景が反映されているのだろう。
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